滝乃川学園だより

MESSAGE FROM THE CHAPLAIN

チャプレンからのメッセージ

日本大震災により、故郷が消えた
3月11日午後2時46分。この時刻は、日本人の心に永く記憶されるでしょう。世界観測史上4位のマグニチュード9.0の巨大地震と大津波が、堤防を越えて市街地に流れ込み、一瞬にして消滅してしまった故郷の姿を、ただ呆然と見つめながら立ち尽くす人びと…。死者、行方不明者合わせて約2万人を超える想像を絶する数になりました。

神さまは、どうしておられたのか?
大地震・大津波の爪痕(つめあと)は、正視に堪えられません。何故、このような悲しいことが起こるのでしょうか? 神さま、教えてください!「初めに、神は天地を創造された。…神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。」と、創世記1章にあります。「初め」は、時間の流れの最初を表し「起源」とか「発端」を表します。しかし、「原点とか根源」の意味を含んでいると思います。天地の創造は、神のご意志による根源的な、価値ある創造の業なのです。全知全能の神であれば、大震災を止めることが出来たのではないでしょうか。「神は天地を創造された。…それは極めて良かった」を、どのように理解すればいいのでしょうか。創造された後は、自然現象の成り行きまかせなのでしょうか。それとも、神は昼寝中で、大震災にお気づきにならなかったのでしょうか。それとも、自然現象だから、どうしようもなかったのでしょうか。もしかして、神は居られないのではないでしょうか。と、…。私たちが理解し得ないことが、起こったのです。
「福島第一原発」の大事故は人災ではないか、…
東日本大震災の翌日、3月12日午後3時36分、「福島第一原発」で相次いで起きた大爆発とメルトダウンは、一部の人間が招いた人災だったのではないかと思います。まさに安全神話が崩れました。原発の大事故は、広範囲に長期間にわたる放射能の被害を及びます。避難者たちのいのちは、どうなることでしょうか。

石井亮一の精神を継承する滝乃川学園
石井亮一が、1891(明治24)年秋10月28日、岐阜・愛知両県を中心とする濃尾大震災の惨状に心を痛め、両親を失った女の子を救済するため「聖三一弧女学園」を創立し、後に滝乃川学園と名を改めました。学園の創立精神が、今に引き継がれています。3月11日東日本大震災が発生した後、宮城県知的障害者福祉協会からの要請により、3月下旬の先発隊として滝乃川学園から本多地域支援部施設長、4月1日の第1陣に職員派遣、4月15日からは高瀬成人部施設長、職員派遣と人的、物的支援を実施し、毎月他施設と協力し職員派遣し、東北の障害者支援施設等を応援しています。高瀬祐二成人部施設長は、4月中旬より、東京都社会福祉協議会・知的発達障害部会・東京都発達障害支援協会合同災害対策本部の復興支援チームのコーディネーターとして現在も活躍中です。東京の様々な施設から、人・物・心のご協力をいただき感謝致しております。
ボランティア(有志)の活動が「生きる希望の光」に
自然の猛威、天変地異の脅威をあらためて感じさせられた人たちが、日本国内だけにとどまらず、世界各国から、「断腸の思い」、「はらわたがえぐられるような思い」を感じる有志、ボランティアが、被災地に集結しています。その一人に私の息子・吉村誠司は、大震災直後から、東北地方に出かけ、「石巻ボランティアセンター」を立ち上げ、救援、支援活動を現在も展開中です。まさに、主イエス・キリストの心を心とする「小キリスト」が、続々と生まれ、石井亮一の心を、わが心とする人たちが、どんどん生まれ、奉仕の業を、被災地で、黙々とやり続けています。

東日本大震災のための祈り

慈悲の神、天の父よ、東日本大震災によって命を失った人びとの死を悼(いた)みます。どうか主の深い慈しみのうちに、この人びとを安らかに憩わせてください。また、愛する者を失って悲しむ人びとがみ力により、あなたの愛の慰めのうちに生きることができますように。
この震災によって離散させられた人びと、住まいを失った人びと、傷つき病のうちにある人びと、弱い立場に置かれている人びと、ことに、障害のある人びと、ご高齢の人びと、外国からの人びとを愛のみ手をもって守り支えてください。また悲しみ、悩み、苦しみ、孤独のうちにある人びと、希望を失いかけている人びとを慰め、生きる勇気と希望をお与ださい。
今、避難生活を余儀なくされている人びとや不自由な生活を強いられている人びとに、必要な保護が与えられますように。また、震災復興のために働くすべての人びと、ことに危険な作業に従事する人びとを導き支えてください。
そしてわたしたちが心を合わせて祈り、いつも共におられる慰めの主(しゅ)のみ姿を見出すことができますように。これらの祈りを主イエス・キリストのみ名によってお献げいたします。アーメン
(日本聖公会礼拝委員会作成 ・主教会承認2011年4月)

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